太陽光発電は、太陽からの光をエネルギー源に発電しているため、二酸化炭素(Co2)を全く排出せずに電力を作ることができる地球に優しい発電方法です。
更なる環境配慮の観点から、ある発電所の一部に更別村の村樹に指定されている「スモモ」の木を植えたときのこと。そこで、事件が起きました…
ということで、今回のマガジンは太陽光発電と野生動物による被害をいくつか紹介したいと思います。
発電所の周辺に植えたはずのスモモの苗木が、冬の間に何者かによって食べられてしまうという事件が起きました。
原因を調べてみると、なんと野ウサギによる仕業でした。
冬に雪が降ると、高さが1m程の小さい苗木は雪の中に隠れてしまいます。すると野生のウサギが雪の上を移動してやってきて、雪から顔を出ている柔らかくて美味しい苗木の先っぽの部分を食べてしまった様です。これではせっかく植えた苗木が育つことはできません。
また、歯の形状がとても鋭いウサギやネズミなどの小動物は、設備の配線を噛みちぎってしまうこともあるので、配線の保護と処理には細心の注意を払わなくてはいけません。
太陽光発電所には、フェンスの設置が義務付けされています。
これは人だけでなく、野生動物が侵入し誤って感電するのを防止することが大きな目的です。
ですが、そんなフェンスを物ともしない野生の動物がいます。エゾシカです。
シカはとてもジャンプ力がある動物で、能力の高い個体は垂直に2メートルも跳ぶともいわれています。「フェンスをしているのに、なぜか設備の中に鹿がいる!」なんてことが稀にあるのです。
北海道は降雪地帯なので、冬に太陽光パネルが雪で埋もれないよう、背の高いスタンドを使って高い位置にパネルを設置します。ですが、その必要が無い雪の降らない地域では、低く設置したパネルに鹿が飛び乗ってパネルを破壊したなんて報告もあります。
そして野生動物の中で一番厄介なのが鳥類のカラスです。
鳥がパネルに落とした糞(フン)によって、パネルの発電量が落ちてしまう…なんてことは、容易に想像ができますが、なんとカラスは上空から石を落としてパネルを破壊したという事例が数多く報告されています。
カラスがなぜその様なことをするのかという研究では「遊んでいるだけではないか」というなんとも厄介な動機。本当に困ったものです。
音も出さず、ただそこにじっと佇んで大きなエネルギーを作ることができる太陽光発電ですが、こういった野生動物の対策にも目を向けながら、日々安定稼働を続けていく必要があります。
野生動物からの被害をゼロにすることは難しいので、専用の保険なども上手く使いながら対策していく必要がありあそうです。