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太陽光発電「パワコン」について

TY-MAGAZINE

今回のマガジンは、太陽光発電システムに欠かせない「パワーコンディショナー(通称 パワコン・PCS)」についてお話したいと思います。

パワーコンディショナー(パワコン)の役割

売るための電気に変換

太陽光パネルで発電した電気(直流電力)は、そのままでは家庭で使用することができません。このパワコンに入って「交流電力」に変換されることで、はじめて使用できる形になり売ることができるようになります。

発電量最大化のための制御「MPPT(Maximum Power Point Tracking)」

パワコンの役割は電気を変換するだけではありません。太陽光パネルは受光する太陽光の強さに応じて出力が変動しますが、パワコンのMPPT制御により太陽光パネルの電圧・電流を調整し、最大出力を得ることができます。この「MPPT(最大電力追従制御)」により太陽光発電システムのエネルギー効率が向上しています。

設備を守る「系統連系保護機能」

系統連系保護機能とは、停電時や電力会社側に異常があった際などの緊急時に、太陽光発電システムに被害が及ばないように守る機能です。この機能によって万が一の場合にパワコンが自動で必要な対処をしてくれるため、太陽光発電システム全体を安全に効率よく運用できるようになっています。


メガソーラーの場合、パワコンを選定する際には大きく分けて「集中型方式」と「分散型方式」の2種類の方式があります。この2つの方式のどちらを選ぶかによって、様々な違いがあります。

「集中型方式」パワコン

「集中型方式」は大型のパワコンを少数設置する方法で、1つのパワコンにたくさんのストリング(太陽光パネル)を接続することができます。

「集中型方式」イメージ

「集中型方式」のメリット

パワコンの設置数が少ないため障害ポイントが少なくてすみます。またメンテナンス時の確認項目も少なくてすみます。

「集中型方式」のデメリット

1つのパワコンに多くのストリングを繋いでいるため、メンテナンスやトラブル発生時には全体の発電量に大きな影響が出てしまうというデメリットがあります。パワコンのメンテナンス期間は発電自体ができないため、大きな発電ロスに直結します。また、パワコンにつなぐストリングの太陽光パネルの枚数を揃える必要があるため、設置計画には制限があります。

「分散型方式」パワコン

一方の「分散型方式」は、小型のパワコンを多数設置する方法です。

分散型方式イメージ

「分散型方式」のメリット

各ストリングを個別に切り分けて管理ができるため、メンテナンスやトラブル発生時にも全体の発電量への影響が最小限で済むというメリットがあります。
また更にマルチストリングスという機能が搭載されているパワコンであれば「集中型方式」とは違いパネルの枚数を揃える必要がないため、設置時のレイアウトの自由度が高まります。

「分散型方式」のデメリット

パワコンが多く必要になるため障害ポイントが増えることから、メンテナンスの工数が増えるデメリットがあります。


太陽光発電は、太陽光パネルの性能に目が行きがちですが、実はパワコンがとても重要な役割を担っています。太陽光発電はメンテナンスまでのコストをトータルで判断する必要があり、発電ロスを設備全体に広げないという点でみると「分散型方式」の方が優れているといえそうです。ですが、「集中型方式」でも、パワコンを正規にメンテナンスしていくことで、トラブルの発生を防止することができれば、メンテナンスに手間がかからないという点では、こちらの方が優れているという観点もあります。こちらはメンテナンス費用との兼ね合いで判断するのが最適かと思われます。


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